ベトナムの屋外公共トイレ事情!ハノイとホーチミンの公衆便所の数を日本と比較|トイレの探し方と借り方と緊急時の最終手段
日本人からは想像もできない海外トイレ事情。
上品な話題ではないが、便所がないと書いて
不便
旅行先のトイレ問題で困ったことになると、せっかくの旅の楽しみも半減してしまう。渡航先の大事なポイントはあらかじめ押さえておきたい。
東南アジアのトイレは、基本的に有料だったり、入り口に番人がいたり、紙がなかったり…。
この記事では、公衆トイレが特に少ないベトナムのトイレ事情を詳しく解説。
ハノイやホーチミンではトイレはどうやって探すの?利用方法は?見つからない場合は?
そんな疑問にお答えします。
うわぁ~ん、急にトイレに行きたくなっちゃった!
大丈夫!ベトナムには屋外の公衆トイレは少ないけど、心配しなくていいよ!
ベトナムでは極めて少ない公衆トイレ
■ もくじ ■
日本はどこにでも屋外に公衆トイレがあって自由に使えるイメージがあるが、東南アジアなどの海外では公衆トイレの数は少なく、そもそも外に誰でも利用できる無人のトイレを用意するという感覚がほとんどない。
ベトナムは、日本と違って誰もが親戚感覚なので、ふらりと立ち寄った場所でも見ず知らずの人の家でトイレを借りて用を足してしまうという事もある。
そういえば日本だって、30年位前の田舎ならそういう事態もあった。「困ったときはお互い様」と、同じ感覚だろうと思う。
また、バスターミナルや駅にもトイレはあるので、旅人が困るということもあまりない。ホテルで朝食を食べ、海外旅行者が出かけそうな観光地のお勧めスポットを訪れる程度であれば、まず困ることはないだろう。
特に困るのは、急にお腹が痛くなってきたり、ちょっと遠征してローカルな地域に足を踏み入れた時など。海外からの観光客用のトイレの完備は期待できない。
と言っても、世界中どこに行っても同じ人間が暮らしている。【食べて出す】という日常の行為に違いはないので、あまり心配することはない。
ハノイの公衆トイレ
下はグーグルマップでハノイ市内の公衆トイレ検索したもので、ヒットしたのはたった4か所だった。
地図上に表示されないトイレもあるものの、数は少ないし汚いので利用は避けた方が無難。特に女性は防犯の心配もあるので、人通りの少ない場所での利用は絶対に避けてほしい。
むしろ、後述するが安全かつ快適に利用できる方法もあるのでそちらをお試しいただきたい。
ハノイは旧市街が主な観光エリアなので幾つかの公衆トイレがあるが、タンロン遺跡の西側の公園にもある。こうやって地図上で見ると簡単に歩いて行けそうだが、縮尺が大きいので相当近くにいない限り徒歩で行くのは困難だ。
ホーチミンの公衆トイレ
ハノイと同じようにホーチミンの公衆トイレをマップ検索する。
なんと、たった2か所しか表示されなかった。
超有名な観光スポットのグエンフエ通りと統一会堂のそばにあり、両方ともサイゴン川の近くだ。
〈統一会堂については、近代ベトナムのシンボルはホーチミン統一会堂|50枚の写真を添えて旧南ベトナム大統領官邸を徹底解説します!【ベトナム旅行】をご覧ください〉
ハノイも公衆トイレは少ないがホーチミンではさらに少ない。空港やデパートなど大型の施設ではトイレに困ることがないが、路上で急に”もよおした時”などは窮地に陥る可能性もある。
ハノイとホーチミンと東京の公衆トイレの数を比較
日本は公共の施設に対する前向きな考え方が凄まじい。
マップで公衆トイレを軽く検索しても、かなりの数が表示される。
調べてみると、東京都だけでも公衆トイレはおよそ7500か所もあった。最も多いのは江戸川区の534か所で、次に足立区の401か所、八王子市の377か所、葛飾区341か所、世田谷区302か所と続く。
多くは公園や野球場などに併設された便所だが、これに加えて図書館や駅、ショッピングモールや本屋のトイレなどもノーチェックで無料で利用できるから、東京などの都市部でトイレに困ることは、まずないだろう。
となると、日本全国の総数にすると想像もつかないが、オープンかつ無料で使用できる公衆トイレの存在に慣れた日本人としては、海外のトイレ事情に面食らうことがある。
ハノイのロンビエン駅下の公衆トイレ
公衆トイレが極めて少ないべトナムとて、さすがに名所や要所など、特に人の集まる場所には設置してあることがある。
一例として、ハノイのロンビエン橋の下にあるトイレをご紹介。グーグルでマップ検索しても出てこないので、レアな公衆トイレだ。
下の写真は観光名所にもなっているハノイのロンビエン駅。「Ga(駅) Long Biên」とベトナム語で表示されている。
ロンビエン駅は1902年建造の古くて小さめのレトロな駅で、日本の鉄道マニアならば目がギラギラすること間違いなしの名所。
構内や線路にも自由に入れるので、見たこともないオンボロ列車が現役で発着するのを目の前で見ることができる。
※線路に入っても怒られませんが、本来は禁止なので自己責任で。
ロンビエン駅のトイレは有料
ベトナムの田舎の駅は無料で清潔だが、ロンビエン駅のトイレの前には番人のおばちゃんが居座っていて、中に入ろうとすると料金を徴収するシステム。5000ドン(日本円で約25円)が目安だが、相手によって金額を変えているフシもある。
外国人には高めに、ベトナム人には通常の現地料金、という差別化だが、これはベトナムに限ったことではない。タイでも動物園や博物館の入場料には高めの外国人価格が設定されていて、堂々と「Foreigner price(外国人価格)」と表示されている。
でも、どちらの料金でいくかは窓口の係員の気分次第なので、現地語で軽く挨拶すればすんなりと現地人の価格にしてもらえることもある。これがまた東南アジアの程よい緩さ…
また、ロンビエン駅よりも有名なのが「ロンビエン橋」。列車が走る鉄橋を徒歩やバイクで渡ることができる。同時にソンホン川も上から眺めることになるので、絶景を楽しむことができる。
紅河ーソンホン川
ソンホン川とは中国の雲南省からべトナムに流れ込む川で、全長は約1200Kmなので本州の青森から山口までの直線距離と同じ長さの大河である。
水中に酸化鉄を多く含むので水の色が赤く、紅河や瀧紅と呼ばれている。夕暮れ時にはさらに赤みを増し、優雅な流れと相まって美しい景色となる。
ただし、下の写真のようにロンビエン橋はバイクが歩道スレスレに走るので、眼下の絶景にばかり気を取られずに、ひったくりには気を付けた方がよい。
話がそれたが、このロンビエン橋の下に知る人ぞ知る公衆トイレがある。
ベトナム語で公衆トイレは
「Nhà vệ sinh công cộng」
銀色に輝く建造物に表示されている。
男女別に分かれていて、一応扉もついている。
日中でも明かりが点いているので真っ暗ではないが、さすがに綺麗とは言えないので緊急事態でもないかぎりは現地人でも利用するのは避けている。とはいえ、有料トイレが多いベトナムでも無料なので時折使う人も見かける。
目の前にはチャンニャットズアット通りがあり、頭上にはロンビエン橋が架かっている。人通りはまばらなので女性は利用しない方がいいだろう。
ロンビエン橋の下では、暑い日差しを避けてウーバーイーツのバイク乗りが注文待ちをしていた。日本の鉄橋下のようにスプレーで描いたらしき派手な落書きも目に付く。ベトナムは日本と違って群れて自己主張する暴走族はいないものの、旅人は夜間にはこういったエリアには立ち寄らない方が無難。
屋外設置用のトイレのレンタル代金の相場
余談ではあるが、ベトナムでは工事現場やイベント会場などに置く簡易的な屋外設置用の仮設トイレは1か月6000円ほどで借りられる。
日本では同じタイプの仮設トイレのレンタル代金が3万円から7万円ほどなので、この辺りも物価の違いを感じるところ。
ベトナムでのトイレ攻略法
公衆トイレの数も少ない。あっても閑散としていて安心して利用できない。では、旅人はどうするか…
方法はいくつかあるが、安全で清潔な順序であれば
ホテルに駆け込む。
カフェや店のトイレを借りる。
駅やバス停、公共の建物を探す。
店のトイレといっても、ベトナムのコンビニにはお客用のトイレがないので、簡単には使わせてくれない。商品を買って、緊急事態であることを身振りで説明して頼みこめば従業員用トイレの使用が許されることもある。
また、ホテルなら日本人であれば大抵は無料で貸してくれるが、フロントで確認しよう。ハノイではオーナーが中華系のホテルは宿泊客以外がトイレを借りる場合には有料であることがあった。とはいえ請求されるのは数十円。
さて、徒歩圏内にホテルもカフェも店もなく、万策尽きてどうしようもない時はどうするか。覚悟を決めて、その辺りの草むらで用を足すかもしくは…
民家を頼る
「Tôi là người Nhật. Bạn vui lòng cho tôi sử dụng nhà vệ sinh? Xin vui lòng.(私は日本人です、トイレを貸して下さい)」
ベトナム人は日本人に親切なので、上の文章を言うか見せれば、たいていは貸してくれる(と思う)。
民家と言っても、怪しげなおじさんのひとり暮らしなどではなく、おかみさんや子供たちが走り回っているような大家族の家を探す。海外でもあるし、女性はくれぐれもご注意のこと。
もしも最終手段として民家でトイレを借りる場合は、けっして当たり前の顔をせずに、よくお礼を言おう。相手にとっても見知らぬ旅人を家に入れるのは心配なはずだ。
それでも、時々起こるイレギュラーな事態で現地人の人情を肌で知ることもある。日本ではまず無理なことでもOKされることもあるし、そんな時には旅をしていて本当に良かったと感じる。
さて、トイレの話を書いていたらムズムズしてきた。続きはまた今度。
次回のあなたの旅が幸せなものになりますように。
ポリフェノール
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