エアアジア・ジャパン破産と今後の日本の航空業界!生き残ったスターフライヤーとの違いは地元密着の経営方針と出資者にあった

飛行機のコーヒーと万年筆【海外旅行】

エアアジア・ジャパンが破産した。コロナショックによって世界有数の航空会社の一つであるタイ国際航空などのフラッグシップキャリアでさえ破綻(後述)する時代となったが、日本の航空業界の未来はどうなるだろう。

もう少し先には世界中でかつてない海外旅行のリバウンドが始まり、今を耐えて生き残りさえすれば航空業界・旅行業界も未来が開けるはずだ。

エアアジア・ジャパンは破産したが同じ日本のLCCのスターフライヤーなどは厳しい現状の中でも生き残っている。

破綻したタイ国際航空とエアアジア・ジャパン。それに対して存続しているスターフライヤー。その違いは一体何なのか…

答えはシンプルだ。

まずは、ごく簡単に海外のタイ国際航空の破綻から考えてみる。

タイ国際航空の放漫経営からの破産

座布団にあぐらをかいた企業はコロナショックの中では生き残れない。それをタイ航空の破綻がよく表している。

ウィキペディアによるとタイ航空は世界有数の航空会社として評されており、半数以上の株はタイ王国の政府が保有している事実上の国営航空会社だった。普通、資本の過半数(もしくは100%)を政府が出資している国営の企業は当然のように国が保護する。

しかし、これが完全に裏目に出る事もある。

詳しくは別記事で書くことにするが、タイ航空は国営の航空会社として放漫経営や関係会社との癒着、さらに社内での不正行為という問題を抱えていた。

赤字と莫大な債務を抱え続けても改める気配はなく、ここ数年の経営はきわどい状況が続いていた。

もともとタイは日本と違って官公所でも賄賂などの不正が当然の国だから普通と言えば普通のことだが、破産寸前のギリギリ放漫経営をしている中でタイ政府も救いきれず、コロナショックがトドメを刺した形だ。

ここまでとはいかないが、かつての日本航空(JAL)も似た雰囲気があった。

半官半民の流れを受けて放漫経営により経営破綻。そこから再生してきた。

話をエアアジア・ジャパンに戻そう。

エアアジア・ジャパンの破産の原因

母体がマレーシアを拠点とする世界屈指のLCCエアアジアである「エアアジア・ジャパン」。かつてはANAとの提携も経験し日本の航空市場に参入したが、いったん日本から撤退。

その後ふたたび日本の航空業界に進出したものの、コロナショックを受けて引き上げた形となる。

と言っても、エアアジアそのものは先程のどす黒いタイ国際航空とは違って、負債は大きいものの比較的ホワイトな民間企業なので、最後まで行き詰まって倒産したのではなく、日本での痛手をここまでとし母体を守るために子会社をあえて破産させて後ろ髪を引かれる思いで撤退したということになる。

とはいえ、同じ日本のLCCであるスターフライヤーはちゃんと存続している。

この差はなにか。

エアアジア・ジャパンとスターフライヤーの決定的な違い

まずスターフライヤーの筆頭株主がANAホールディングスであることが大きい。さらに、拠点とする九州地方の企業からも出資を受けている。

加えて北九州市に拠点を置き、九州地方と日本の各都市を手軽な料金の航路で結ぶ重要な役目を担っている。

そういう事情でANAや地元企業からの増資儲けることができたばかりでなく、北九州市からの補助金も手にすることができた。

それに対しエアアジア・ジャパンはかつて参入したものの撤退し、再び乗り込んできたもののやはり撤退という、いわば「元寇」のような形となる。

じつはエアアジア・ジャパンの主要株主の中には日本の【楽天】や【ノエビアホールディングス】が名を連ねる。1兆円を超える売り上げを出している楽天が本気になれば、エアアジア・ジャパンという小さな航空会社を救済することもできたかもしれないが、このコロナショックの時期に買い取るという判断には至らなかったのだろう。

つまり、日本国内に本気になって守ろうとする後ろ盾があるかないかが最大の違いではないかと考える。

今後の日本の航空業界

ANAとJALは赤字を抱え続けても生き残るだろう。コロナ禍が長期化すれば、もしかすると全日空と日本航空の合併という話も可能性として無くはないが、恐らくはこのまま存続すると思う。

その他の国内LCCであるピーチ・アビエーションやジェットスター・ジャパンも何とか持ちこたえ欲しいと思う。

コロナショックの終結と同時に、海外旅行へ爆発的な需要が発生するはずだ。

その時まで耐えてくれることを願うばかりだ。

 

ポリフェノール

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