スターフライヤーに北九州市から10憶円の補助金!最悪の赤字を乗り越え福岡から本州の主要都市への路線を守れるかがカギだ
九州と本州の主要都市を結ぶ貴重な航空路線。東京や名古屋へも手軽に行き来できた空路が危機に瀕している。
福岡県北九州市に拠点を置く、黒い機体でお馴染みのスターフライヤー。九州人には欠かせない足となってきた。
コロナ禍で、もしこのルートが廃れると今後の観光や産業にも影響が出ることは必須だ。
何としても北九州と首都の空の道を守るべく、出資者であるANAや地元の企業、自治体が動いている。
福岡から全国へ|北九州が拠点のスターフライヤー
■ もくじ ■
国内路線へのLCC(格安航空会社)の参入により経営が悪化した時期もあったが、現在の筆頭株主であるANAの増資を受けて持ち直していたスターフライヤー。
まずは路線を見てみよう。
スターフライヤーの就航都市
北九州ー羽田(東京)
北九州ー那覇(沖縄)
福岡ー羽田(東京)
福岡ー中部セントレア(愛知)
関空(大阪)ー羽田(東京)
山口宇部ー羽田(東京)
就航路線の数こそ少ないものの、本拠地の北九州空港や福岡空港から、東京をはじめ各都市への航路を維持してきた。(コロナ禍により変動もあります)
例えば、北九州空港から東京(羽田)行きを検索すると、ほとんどがスターフライヤー(ANAと共同運航便)の飛行機だ。わずかにJALもあるが、便数はかなり少ない。
九州と東京を新幹線で移動するより早くて安いスターフライヤー
この九州地方と本州を結んでいる空のルートに、どれだけ利便性があるのかは新幹線での移動と比較してみると一目瞭然だ。
北九州(福岡)ー羽田(東京):スターフライヤー
小倉駅(福岡)ー東京駅:新幹線
この2つの移動方法を比較するとこうなる。
北九州ー東京間のチケットの価格
新幹線での移動は自由席で21,500円程度
スターフライヤーなどの飛行機なら、曜日や時間帯にもよるが17,000円前後のチケットもある。(時期により変動あり)
価格面では、飛行機の移動であれば小倉ー東京間の新幹線の料金と同じか、むしろ安く往復できることもあるということだ。
北九州ー東京間の所要時間
所要時間で比べると、新幹線であれば4時間41~44分程度だが、飛行機なら1時間30分前後で移動できる。
もちろん、鉄道の旅とは異なり飛行機の旅は空港までの移動やⅩ線検査などの時間も計算に入れる必要がある。
が、総合的に考えると、飛行機での移動するメリットは絶大だ。
福岡県には太宰府天満宮や志賀島、福岡ドーム・福岡タワー、中洲屋台村など観光スポットも多い。
さらに九州から鉄道の旅で足を延ばせば、阿蘇山、桜島、ハウステンボスなど様々な観光地がある。
空路が確保されていれば、今後も東京や各都市から九州へ素早く気軽な集客も見込めるし、逆に本州へ観光や仕事に出る事もできる。
また、韓国の釜山や台湾の台北桃園空港への就航実績もあり、海外も視野に展開してきた。
今後さらに九州地方から本州の主要都市、さらには国際便の運航も期待されていた中でのコロナ問題の直撃。
放置すれば九州地方全体への経済的なダメージは避けられないだろう。
これには出資者側も看過するはけにはいかない。
スターフライヤーの株主トップ5
スターフライヤーの現時点での株主は約4200名
東京証券取引所市場第二部に上場している
主要株主を持ち株順にリストアップすると
ANAホールディングス
TOTO株式会社
ゴルフライフ
安川電機
北九州エアターミナル株式会社
という順になっていて、筆頭株主のANAホールディングスは18%近い株式を保有している。それ以外の会社は5%未満だ。(スターフライヤーHP上の公開による2020年9月現在の数字)
ANAとTOTOなどの地元企業も増資を決定していた。
スターフライヤーへ北九州市の補助金10憶円
一度倒れてしまった航空会社と、その路線を復活させるのは至難の業だ。
福岡と本州への空の架け橋を担うスターフライヤー。
現実には世界中の航空会社が打撃を受け、経営破綻している。エアアジア・ジャパン、タイ国際航空、南アフリカ航空などなど…
しかし、今後の九州地方への観光客の誘致や経済の活性化を考えると、スターフライヤーが本拠地を置いている北九州市としてもなんとしても存続させたいところ。
幸い、スターフライヤーは不必要に大幅な路線拡大をせずに堅実な運営をしてきたし、保有機材や従業員数など会社の規模も比較的小さい。
株主の増資と市の補助金を受けて持ちこたえられるかどうか。
ここが踏ん張りどころだ。
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