ドンスアン市場は無名の場外売り場も熱い!ハノイっ子のバイクで埋め尽くされる旧市街の観光スポットだ!【ベトナム旅行】
旧市街のドンスアン市場はハノイ最大のマーケットだ。建物の中には店舗がぎっしりと詰め込まれ、喧騒が絶えない。
商品の流通を支える巨大市場には、どこに行ってもその国独特の雰囲気があるが、このドンスアン市場はむしろ場外の路上に控える無数の商売人たちの姿にも魅力を感じる。
旅行者には、場外市場にこそ足を運んで欲しいと思う。
現地のハノイっ子たちがひっきりなしに訪れては、家庭で使う野菜や肉類を買っていく姿から、ベトナム人のたくましさと売り買いの基本を感じ取ることができるだろう。
ドンスアン市場の外では、野菜や肉、魚なんかを小売りしてくれるんだよ~
ハノイっ子達が、晩ご飯の食材の調達をしてるよ!
ベトナムの人達の暮らしを支えてきた活気を味わってみよう!
ハノイのドンスアン市場の場外に連なる売り場
■ もくじ ■
ドンスアン市場の建物の中には土産物・衣料品・雑貨などを販売する固定された店舗が連なるが、外の場外売り場には、食材の小口取引を目的とした、いわば「行商」スタイルの商売人たちがひしめいている。
また、現地人もそれを承知していて、家庭や小さな食堂やレストランなどで使う程度の食材は場外で手軽に調達する。
ドンスアン市場の北側には鍋料理の旨いフードコートがあるので、お腹が空いたらぜひ試してみて欲しい。詳しくは、ドンスアン市場フードコートお勧めは鍋料理!ハノイ旧市街の街歩きで疲れた体に染み込む旨さ!食材も食堂に直送【ベトナム旅行】の記事をご覧ください。
麺料理のB級グルメの美味しい店については、ご当地グルメを見つけたければ市場祖探そう!旧市街のお土産も買えます|ハノイ・ドンスアンをご参考に。
上の写真のように、場外市場は女性がバイクに乗せて運べるぐらいの野菜を買うのにはうってつけのシステムだ。
それにしてもベトナムの人々のバイクの運転技術には舌を巻く。
子供の頃からバイクのリアシートに乗せられているからだろうか、バランス感覚がハンパない。
よくこれで転ばないなと感心するような大量の荷物を載せて、平然と走り去っていくこともよく見かける。
ドンスアン市場の生い立ちと歴史
ドンスアン市場は、ベトナム語で
Chợ Đồng Xuân
と書く。
Chợは「市場」という意味だ。
ドンスアン市場の歴史はおよそ130年。1800年代前半、ベトナムをグエン王朝が治めていた時代からドンスアン地区に市場が置かれていたが、同じ旧市街には他にも幾つかの市場が混在してた。
そのため、1882年頃から実質的にベトナムを治め始めたフランスは、小規模に散在する市場を一カ所に集中させることを計画。ドンスアン地区の空き地に大型の市場を建設して流通をまとめようという事になった。
始めは屋根のない青空市場で販売が開始されながら、並行して建屋の建設も進められてゆき、1889年の完成後から屋内で営業をすることになる。
その後、戦争や火災で繰り返し焼失し、現在のドンスアン市場は1994年に立て直されたものだ。
下の写真は、ドンスアン市場の場外の路上で今も同じようなスタイルで販売する売り子たちである。
ドンスアン市場の場内と場外の違い
建物内の店舗は日本の魚市場のようにライセンス制ではないので観光客も含めて誰でも利用できるが、明確な違いがある。
取り扱う商品も違うが、基本的に場内は卸売り専門店が多く、場外は小売り専門という形になっている。
それで、場内には大量買いをするベトナム北部からのバイヤーが多く訪れ、場外ではふらりと立ち寄る買い物客が多い。
もちろん、カバンや土産物や衣料品など、雨風に弱い商品は大口でも小口でも場内で販売されている。
場外市場ではバイク客が主要ターゲット
ドンスアン市場の場外売り場は、グエンティエンティアット通り、カオタン通り、タインハー通りなどの自動車が通り抜けられないような細い道に並んでいるから、ここへはバイクか徒歩で訪れるしかない。
売り手は微塵の遠慮もなく道路や歩道の上に商品を並べているので、買い物客はバイクに乗ったまま買う事もできる。
さまざまな国で活気に満ちた市場を見てきたが、ベトナムほどバイクが日常生活に密着した国は見たことがない。まるでサーカスの曲芸を見ている感覚だ。
カウドン通り
下の写真の左側に見える黄色い建物がドンスアン市場だ。その裏にあるカウドン通りにはバイクが停められるから、バイクを置いて中で買い物をする人も多い。
ここは主に駐車スペースのようなもので、場外のメイン会場はグエンティエンティアット通りだ。
グエンティエンティアット通り
少し長い名前で読みづらいが、この通りの喧騒にはすさまじいものがある。平日でも人とすれ違うのに苦労するので、スリにはくれぐれもご用心。
下の写真は、歩道に我が物顔でびっしりと野菜を並べた行商人だ。
売られている野菜は、レタス・ジャガイモ・サツマイモの類・トマト・きゅうり・パクチーなどの香草類・ショウガなどなど。日本でもなじみのある物が多いことに気付く。
価格も安く、食品を扱う大型スーパーが少ないベトナムでは庶民に欠かせない食材調達の場になっているのだ。
というよりも、日常生活の中で必要な分量だけ手軽に買えるこの合理的な路上市場が浸透していることで、近代的なスーパーマーケットが必要ないようである。
仕事の服のまま、帰り道にバイクで立ち寄る客も多い。OLが帰宅途中に夕飯のために買い出しをする。そんな光景が当たり前のように繰り返される。
英語がほとんど通じないこともあるくらい、売り買いしてるのはほとんど現地人だが、まれに海外旅行者も目にする。
こちらはアメリカ人の3世代。
アメリカ人の肉食文化
赤ん坊を連れた親と祖父母たちが、何やら興味深そうに香辛料に見入っている。
余談だが、アメリカの人々は500年前の植民地時代からバーベキューなどの肉料理に造詣が深い。ヨーロッパ各国からアメリカ大陸へと入り込み、インディアンを制圧しつつキャンプ生活をしながら、屋外でバッファローや牛を捌いて焼いて食べた。
現代でもその精神は受け継がれ、彼らは肉の部位や状態だけでなく、焼く薪(たきぎ)の種類にまで当然のようにこだわる。今日はこの肉にこの木で焼けば煙と一緒にフレーバーが移って相性の良い香りとなる。と常に頭の中で計算しているのだ。
それはまるで、「今日の味噌汁の出汁は煮干しにするか昆布にするか…、であれば使う味噌は八丁味噌が良い…」などと無意識に考えるのと同じである。
日本では、明治時代まで肉を食べる文化が浸透していなかった。なので、日本人は肉料理が極めて下手だ。プロの料理人を除けば、どの状態からどう焼けば最も肉が旨いかを知る人は少ない。
外国人とバーベキューをすると、こと肉の調理に関しては、我々は知識はあってもDNAの底では、数百年以上も肉を食べ続けてきた欧米人にかなわないと感じる事が多い。刺身や寿司については日本人が世界随一だが、少なくとも今後100年は肉を食べることについての技術とセンスには追いつけないだろう。
この一家も、きっと我が家で焼く肉に合わせられる香辛料を探しているのだろう。
魚介類の販売も
お勧めはしないが場外売り場では、魚や貝などの販売もある。
貝はザルに入れ、魚は水を少量入れたたらいに入れて販売していた。
ホテルやゲストハウスによっては、購入した魚を持ち帰って調理してもらうこともできる場合もあるが、気温が暑い国なので屋外での魚介類の購入は日本人には不向きかもしれない。
ドンスアン市場の場内に生けすに入れた生きたままの魚を販売している店が数件あるので、どうしても欲しければそちらで購入を。
肉やおかず類の販売
総菜のような出来合いのおかずを売る店もある。仕事帰りに手軽に買って、自宅で皿に移して食卓に並べるのだろう。
ベトナムも働く主婦は忙しい。日本のようにスーパーでパックされたおかずが買えないので、こうした市場に併設して出店している店で「今夜のおかず」を調達するのも暮らしの工夫なのだろうと思う。
そういった訳で、夕方になると一気に場外売り場も買い物客で混み合う。バイクで立ち寄っては、わずか数十秒で会計を済ませて走り去っていく。
徒歩で訪れる買い物客もいる。
下の写真は肉屋の男性と顧客たち。
青空の下、テーブルの上に精肉されたばかりの生肉が並べられている。
野菜と同じく、数百グラムかキロ単位で買うことができる。ハエが飛ぶのが少し気になるので、我々外国人は見ているだけにした方がいい。
近所の子供だろう、ショウガを一握り入れたビニール袋を持った高校生くらいの女の子が小走りに駆けていった。
このサイズは、食堂ではなく個人の家で使う分量だ。おそらく今日の夕食に使うのだろう。
この場外市場には、日本のスーパーのように、値札やバーコードが貼られた商品は一つもない。
すべて量り売りの交渉制。欲しい物の必要な数か重さを伝えれば金額を言われ、支払いをして商品を受け取り売買が成立。じつに合理的だ。少ない家族なら少量でも買えるし、もちろん大量買いも可能。無駄なパックのゴミが出ることもない。
家の商売を手伝う子供たち
ベトナムをはじめ、東南アジアの路上には家の商売を手伝う子供たちも多い。
自宅前がちょうど屋台になっていて、店番をしている少女がいた。オシャレをしているので、今から出かけるのかもしれない。その前に母親に留守番を言いつけられたというところだろう。
そういえば、遊びたい盛りの子供とはいえ、当然のように家の手伝いをしなければなない時代が日本にもあった。
さて、ドンスアン市場の横には雑貨店が立ち並ぶ通りもある。
ハンコアイ通り
ここには、金物や食器類などを売る店が並んでいる。ホテルに長く滞在していると、部屋でコップや皿が欲しくなることがあるが、必要ならこういう所で安い物を購入し、チェックアウトの際には仲良くなったルームキーパーのおばちゃんやフロント係のお嬢さんへの置き土産とする。
工具類やその他のこまごましたものを何でも売っている。
ちなみに雑貨店のついでに店先でバインミーを売る店もあり、まぁまぁ美味かったので試してみるのもいいだろう。
ここでも道路からバイクに乗ったまま店内を見渡す若い男女が…。降りて行って店内を探し回るより、目を皿のようにして欲しいものが置いてないかどうかを探す方が好きと見える。
それでも見つからない場合は、大声で店主を呼んで尋ねる事もある。彼らのお尻かバイクの座席には接着剤でも付いているのだろうか。
ドンスアン市場には昼の顔と夜の顔がある。日本の市場はたいてい早朝から営業し、昼には閑散とするが、ドンスアン市場は夜にはネオンが輝く妖しいナイトマーケットに姿を変える。
これも観光客にはたまらない刺激を与える雰囲気を醸し出す。
ナイトマーケットがない日でも、路上に様々な屋台が繰り出す。お菓子・飲み物・衣類・スマホ用品…。
下の写真は、串ものの屋台を出し始めた女性だ。
突然降り始めた雨の中でも、動じることなく商売を続けていた。
昼にも夜にもドンスアンにはたっぷりと魅力が詰め込まれているので、両方の時間帯の味を試していただきたい。
ドンスアン市場の地図はコチラを参考に。
営業時間等については要確認。
今回は、活気あふれるドンスアン市場の場外売り場の商売人たちの様子についての記事でした。
ハノイにお越しの際にはぜひドンスアン市場と、その外にある場外売り場にも立ち寄ってベトナム特有の熱気を感じ取ってみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
またお会いしましょう!!
ポリフェノール
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