世界遺産フエでブンボーフエの名店を探そう!極上の牛肉スープを使うお粥や鶏肉料理も絶品だった【ベトナムB級グルメ旅行】
本場のフエ料理を食べませんか?
この記事は世界遺産の歴史を支えた食文化フエ編。大人のベトナム旅行に最適な古都の名残と風格を感じさせてくれる街フエに行ったら、観光の目玉である王宮とフエ料理をぜひ堪能したい。
ブンボーフエ、バインべオ、コムヘン、ネムルイといった独特のある本物のフエB級グルメはここでしか食べることができない。
もちろん、年間380万人ともいわれる観光客とフエの街の人々の胃袋を魅了してきたフエ料理を出す店はベトナム各地にあるし、日本にも進出している。でも、食べ比べると本場のフエ料理とは決定的な違いがあることに気付く。
それは、食材であり水であり店の雰囲気でもある。東京の一流の江戸前寿司の職人がアメリカに行って現地の食材を使う寿司屋店を出しても、何か違和感があるのと同じことだ。
フエには美味しい料理がたくさんあるよ!!
世界遺産だけゃなく、フエの料理も思いっきり楽しんじゃおう!
フエ料理の歴史は人の歴史
■ もくじ ■
ガラス細工製品や象牙の加工品が名産の工業にも力を入れているフエ。9~12月は雨期で天気が悪い日も多いが、できれば現地の街歩きも楽しみたい。ベトナムの中部地方にはビーチと水着美女であふれるダナンや、ランタンとアオザイで輝くしっとりとしたホイアンもあるので、ぜひ足を延ばそう。それぞれの街に独自の特徴がある。
自分の足でゆっくりと歩きながら、世界遺産を育んだ街の人々の暮らしを知り舌で料理を楽しむ。
フエの街歩きをしてみよう!
どんな街でどんな食文化が発展したのか、その意味を自分の目で確かめながらフエ料理を食べると、何の予備知識もなく食べるよりもはるかに充実した旅になるに違いない。
また、街歩きしていると思わぬ発見もある。
下の写真はベトナムの白バイ。少しだけ話を脱線させて白バイについてお話したい。
ちょっとマニアックなベトナムの白バイの話
車体にはHONDA CB250と書かれているからひと目で日本のバイクだと分かる。これは標準的なベトナム警察の250ccの白バイ(Police motorcycle)だが、日本の白バイは1980年代あたりからホンダのCBX750やヤマハFZ750などの750㏄バイクが採用され、2000年頃からはホンダCB1300やヤマハFJR1300といった大型バイクが使われている。
もちろん日本にも400ccの中型の白バイもあるが、軽自動車よりも排気量が大きな大型バイクの方が圧倒的に多い。
ちなみにアメリカではハーレーの大型バイク、ヨーロッパではBMWの大型バイクが採用されている。
それに対しベトナムではCB250という250ccの中型バイクで事足りるとうことで、日本の大型の白バイから見れば原チャリとまではいかないものの、ちょっと貧相にも見える。
実はこれにはベトナムという国の事情がよく表れている。
予算の問題
現在ホンダのバイクのHPを見ると、CB250は約56万円、CB400は80~100万円、CB1300は150万円超という価格設定になっている。会社員の初任給が2万円以下というベトナムの経済状況を考えると、新車を導入するのは難しいだろう。
道路事情の問題
べトナムには島国である日本のように狭くて入り組んだ細い道は少なく、南北を縦断する国道一号線のように大きくて広い道が多い。
それでも、舗装はかなり悪くスピードが出せないことが多い。また、地方に行くと舗装さえされていない土の路面が多い。
長距離の寝台バスで旅をすると、何でこんなにデコボコしてるのか不思議に思うくらいのガタガタ道を通ることもある。
なので、速度違反や指名手配の車やバイクを追いかけるとしても犯人が猛スピードで逃走するという事はなく中型バイクでも十分。
むしろ、ハノイやホーチミンのように無数のバイクが毎日のように暴走族のパレードのように走り回っている都市部では小回りの利く中型車の方が役に立つというワケだ。
白バイについては、これ以上書くとバイク沼にはまりそうなので、別記事にします(反省…)
何を言いたかったかというと、訪れる街を観光スポット以外にも自分の足でぶらぶら歩いていると、いろんな発見があって楽しいという事なのだん。
そういえば大好きな本田翼(ばっさー)が、YouTubeで【ほんだのばいく】というチャンネルを出しているので宣伝しておきます。ぜひどうぞ♪
話を本題のフエ料理に戻しましょう。
フエの1番人気は麺料理のブンボーフエ
フエでは長い歴史の中で宮廷料理とは別に、B級グルメが発展していった。
王宮があれば皇帝と皇族のために一流の料理人と食材が集められ、宮廷料理の調理法も貴族や庶民にも伝わる。
下の地図を見ると分かるが、フエはベトナムのちょうど真ん中に位置する都市だ。北の首都ハノイからも南の経済都市ホーチミンからも中間の距離にあるので、昔から南北が行き交ういわばシルクロードのオアシスのような存在だった。
しかし逆にそれがあだとなって、ベトナム戦争中は激戦地となってしまった。南北に分かれての中間地点という重要拠点となったので、北軍も南軍も欲しがったということだろう。
ハノイからもホーチミンからも同じ距離で海からも近いという絶好の立地条件の良さに、皇帝が集めた調理人と食材が加わることで、フエ料理は成長していった。
ブンボーフエの語源と意味
けっして「ビンボーフエ」ではないが、アジアの他の国々と同じくベトナムの一般人もかなり質素に暮らしていた。
優雅な宮廷料理も、簡素に暮らしている庶民に伝わって行く過程の中で、より簡単により質素に変化していくことになる。
つまり、フエ料理の真髄は宮廷の洗練されたメニューが、庶民でも気軽に食べられるようにアレンジされて進化していったことにある。
そのフエ料理の中で最も人気があって有名なのがブンボーフエ。
bún bò huế
búnは、米粉麺(ライスヌードル)
bòは、牛(肉や骨も含む)
huếはフエの街
という意味なので、直訳すると【フエ風の牛肉ライスヌードル】ということになる。
簡単にいうとベースとなるスープに米で作った麺を投入し、牛肉の薄切りを加えて、パクチーなどの香味野菜を添えるというシンプルな料理だ。
フエを歩くと至る所にブンボーフエの店がある。
そばやうどんぐらいの庶民派B級グルメではあるが、ベトナム全国に誇るフエ名物なので高級レストランやホテルでも必ず食べることができる。
ただしそれは、日本でいえば帝国ホテルやホテルオークラで天ぷらそばを注文するようなものなので、一般的な「本物の」ブンボーフエが食べたければ安食堂に行くほうがいい。
泊まったチャンティエン橋のそばのホテル近くを街歩きしていたら、1軒の安食堂の看板が目に入ってきた。
チャンティエン橋については、チャンティエン橋は世界遺産フエの旧市街と新市街を繋ぐお勧め観光スポット!夜は壮観なライトアップが見ものだをご覧ください。
美味い安食堂を探すコツ
観光客がメインターゲットの店や立地条件が良すぎる店はたいてい味が悪い。客が二度と来なくても経営には影響しないからだ。
そこに店を出しているだけで続けられる。
立地条件が悪く、近所の住民がリピーターとなっている店は確実に美味い。というより、マズければ潰れる。
そのあたりの事情は店内のテーブルや客層を見ればすぐに分かる。
テーブルや椅子のボロさから、長年ここで商売してきたことが分かるし、あとは普段着のベトナム人が何人かいれば完璧だ。
そこは確実に美味くて安い店という事になる。
また、観光客としては衛生面も心配だろう。
猫のいる安食堂を探す
観光での食べ歩きは食中毒が最も怖い。
不衛生な店を選んで腹を壊しては、その後の数日は美味しいものは食べられないし、最悪の場合は寝込んでしまって次に乗る飛行機の予約にも影響することになる。
食中毒の原因としてネズミが食材を食い荒らすという事があるが、これはちゃんとしたホテルなら問題ないかというとそうでもない。
東南アジアでは、一流ホテルの厨房でも夜中になるとネズミがうろうろしていることが多いからだ。
ネズミの天敵は猫と蛇だ。
蛇を飼っている食堂はないにしても、ネズミ対策に猫がいることがある。
猫はほとんど放し飼いにされていて、食事の時間は客の足元で食べ残しをもらい、夜中はネズミを捕らえて店に貢献するという循環になっている。
こういう店なら、ちょっとは衛生面でも安心して食事をすることができる。
客の前で料理している店を探す
真面目に料理を作っている店は厨房を隠さない。
この店では、道路前の店先にコンロと鍋を置いて調理しているので、何か問題があれば現地人がすぐに気づくので長く続けることはできないだろう。
客の目の前で料理するのは、料理を届けやすく食い逃げされないという理由の他に、作り方に自信がある証拠とも言える。
逆に、高いレストランでも、客席から厨房が離れていて見えない店では、コスト削減のために客が食べ残したスープを鍋に戻して使い回すという事もあるので要注意。
上の写真の隅にお茶が写っているが、この店は無料。
ベトナムではおしぼりやお茶が有料の店もあるので注意しよう。
と言っても日本円で20~30円くらいの料金なので心配する必要はない。
ただし、テーブルに置かれたお茶が常温の場合は特にデリケートな内臓を持っている日本人には食当たりのリスクが上がるので、僕は飲まないようにしている。
ついでに言うと、箸も出しっぱなしなのでスプレー式のアルコールをかけてティッシュで拭くか、除菌できるウエットティッシュで綺麗にしてから使うとよい。
安食堂では食器や箸の洗い方もやや雑なので、こういう所を気にすると腹痛を起こすリスクを下げることができる。
ブンボーフエとお粥
実はこの店の名前は、
Cháo Bò Đập Đá
日本語にすると、
Cháo(チャーオ)は「お粥」
Bò(ボー)は「牛」
Đập Đá(ダップダー)は地名
なので、直訳すると牛スープのお粥屋さんという事になる。bún bò(ブンボ―)が牛スープの米麺でCháo Bò(チャオボー)が牛スープのお粥なので、ベースは同じ。
違いは牛の出し汁に麺を入れるか米を入れるかだけなので、両方試してみるのもいい。ベトナムの米は東南アジアの中でも日本米に近いので違和感なく食べることができる。
「お粥」と言っても、病気の時に食べるような貧弱なものではなく、けっこうずっしりとしたボリューム感なので、日本に帰ってもマネして作るといいかもしれない。
さて、お粥屋さんであるが麺を食べたかったのでとりあえずブンボーフエをオーダーしてみた。
ただ、連日の食べ歩きでお腹が少し疲れていたようなので重めの牛肉ではなく鶏肉にしてもらう。
もちろん、嫌な顔一つせずに作ってくれる。
スープはあらかじめ仕込みで出来ているし、軽く茹でた米の麺を入れて鶏肉を載せ、トッピングに薄切りの玉ねぎやパクチーやネギなどを散らすだけなので、混んでいなければ5分もかからずに運ばれてくる。
さぬきうどん屋や天ぷら蕎麦屋レベルで【早く・旨く・安い】最高のB級グルメだ。
目の前の丼からはフエ料理らしく、時間をかけて作られた牛出汁の香りに香草の風味が加わって優雅な湯気が立ち上ってくる。
フエ料理の特徴は、出汁にあると思う。年中暖かで牛も豚も放牧でき米も複数回収穫できるベトナムの風土に、皇帝に出されていた調理法、特に骨からスープをとる洗練された手法が加味され、それが庶民用にシンプルになってこの丼に凝縮されているという事だ。
まずは一口すすり、都があった時代の優雅さやきらびやかさを考える。
また、ベトナム民主化の父と呼ばれるホーチミンが幼いころ過ごしたのもフエなので、必ずこの大通りも通ったはずだ。彼はどんな少年時代をここ過ごしたのだろうか。
そんな歴史に思いをはせていると、付けダレ類の小皿が目に入る。
フエ料理の付けダレ
緑の皿には切ったライムが盛られ、白い小鉢には唐辛子をベースにしたベトナム版のラー油が大量に入っている。
奥の小皿にはヌックマムと酢に入ったトウガラシなどが混ぜられている。
ヌックマム(ニョクマム)は、ベトナムの魚から作る醤油のことで独特の風味を持っている調味料。タイではナンプラーと呼ばれる。
最高品質のニョクマムはフーコック島でいまだに木樽で作られているので、詳しくはフーコック島のヌックマム工場で伝説の調味料を手に入れろ!昔ながらの本物の作り方を見学して味見もできます【ベトナム旅行】をご覧ください。
ヌックマムは日本でも簡単に買えるし、これさえ使えば手軽にベトナム風の食事を楽しめる。
何もいれずにスープを味わった後、少しづつ付けダレを足していく。特に、トウガラシ類は入れすぎると超絶に辛くなるのでご注意を。
ブンボーフエの価格
今回食べたのはお粥屋だったが、ブン屋(麺専門店)でも同じ。
ベトナムのB級グルメは200円もしないから、何杯食べても平気だね(笑)
べトナムのお金で35000ドンを日本円に直すと約170円ほど。
これで本場のフエ料理を楽しめるので、ぜひチャレンジしてもらいたいと思う。
ブンボーフエは、どこのホテルの朝食でも食べることができるので、もしも食べ損ねた方はそちらで。
さて、いくら物価が安いベトナムでもこれだけ格安で牛肉を使った料理を出せるには理由がある。
二階への秘密の通路
多くの店は、二階が店主家族の自宅になっていて家賃がかからないのだ。
この店も裏から二階に上がれるようになっていて、子供たちが行ったり来たりしていた。ベトナムは、場合によっては外から風呂場が覗けたりすることさえあるくらいオープンなのだ。
田舎の食堂に行ってトイレを借りようとすると、家族が住んでいる自宅の中のトイレに案内される。なんてことも本当にある。
帰り際に許可をもらって食材置き場をパシャリ。スープをとる牛スジや、トッピングにする玉ねぎなどがザルに入れられていた。
美味しかったお礼を言い、次の旅に出る。
今回のフエは短期の滞在になったが、また来ようと心に決めている。
そして冒険の旅は続く
これから、格安の長距離バスでホーチミン方面に向かう。べトナムではどこに行くとしても体力さえあればバスがいい。
フエへの行き方については、フエの空港・鉄道・バス情報!これでベトナム中部最大の世界遺産への行き方は完璧!日本からはどう行く?!をご覧ください。
寝台バスに乗って次の街へ。欧米の女子大生やバックパッカー達と一緒にはしゃぎながら時間を過ごすとあっという間に着いてしまうから不思議だ。
旅にはそれぞれの目的がある。
帰省する若者もいれば、あてもなく自分探しをする者、就職のため田舎から大都市に行くことも多い。
それぞれの思いを乗せたバスは今日も乗客を乗せて走り続ける。
今回は世界遺産の都、フエのB級グルメについて書きました。コメントもお待ちしています。
あなたの旅が一生の思い出に残る素晴らしいものになりますように。
ポリフェノール
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