フーコック島のヌックマム工場で伝説の調味料を手に入れろ!昔ながらの本物の作り方を見学して味見もできます【ベトナム旅行】
ベトナム料理に欠かせない“ド定番の調味料”
ヌックマム
ベトナムでも最も美味しいと言われるのが【フーコック島のヌックマム】です。
ただし、フーコック産の表示の9割は偽物なので、本物を手に入れるのは至難の業。
まさに幻の調味料…。
「んじゃあ、工場まで直接行って買えばいいじゃん」
っていうことで、仕入れと取材に行ってきました。
新鮮なヌックマムの試飲もできます。
日本風に言うと“魚のたまり醤油”ですが、
タイ語のナンプラーとしても有名ですね。
でもナンプラーのように砂糖が入ってないので、ベトナムのヌックマムは、やはり独自の存在です。
これさえあれば、何でもベトナム料理っぽくなるという
とっても便利なアイテム。
エスニック料理が好きな方向けのお土産にも、最適ですよね!
ベトナム料理の調味料といえば、
ヌックマム!(ニョクマム)
工場を見学して直売所で本物を買って帰ろう!
ヌックマムの名産地フーコック島へ
■ もくじ ■
こんにちは!
旅と人が大好きなポリフェノールです!
フーコック島はリゾート地なので、調味料目当てだけでなくても、何泊かしてビーチを楽しむのがお勧めプランです。
オシャレなレストランや、高級ホテルも充実してきています。
フーコック島への行き方
フーコック島はベトナムの南西部のキエンザン省の一部です。
行き方はまた別記事で書きますが、ホーチミンからだと
1 飛行機で行く
2 バス&フェリーで行く
上のどちらかになります。
鉄道はないので陸路で行きたい方はバスでどうぞ♪
僕はバスとフェリーで行きました~
位置は下の地図をご覧ください。
島の中の移動は、レンタルバイクがお勧めです。
レンタル料はホテルで借りると1日700円くらい。
もっと安いレンタルショップもありますが、ホテルで借りれば返すのも楽ですし、パスポートを預けたりする手間も必要ないので便利ですよ~
(ただし、国際免許は使えないので無免許になります、あくまでも自己責任で…)
もしくはタクシーか、グラブも便利です。
フーコック島はけっこう大きいので、南北をバイクで縦断するとなると、それなりの体力が必要です。
道路は広くて走りやすいのでいいんですが、超絶に暑いんです。
ヌックマムってナニ?
ちょっとだけヌックマムについて説明させて下さい。
ヌックマムとは、ベトナム料理には欠かせない魚から作った調味料で
魚 醤
のことです。
カタクチイワシなどの魚を塩漬けにして寝かせて、たんぱく質からアミノ酸を作り、汁を抽出させます。
特にうまみ成分であるグルタミン酸が多くて、ヌックマムのアミノ酸の種類は14~17種類ともいわれています。
ベトナム語で書くと
nước mắm
声調記号を除いて書くと
Nuoc Mam
となります。(英語ではFish sauce)
水+塩という意味ですね。
ちなみに nước (ヌック)を辞書で引くと「国家」と訳せる場合もあるので、国+塩辛という訳し方もあるみたいです。
ヌックマムの使い方は?
基本的に、なんにでも使えます。
僕は目玉焼きにかけたり、納豆に混ぜるのが好きです。
その他、スープや炒め物に加えたり生春巻きなんかの付けダレにもぴったり。
パスタソースに使う人もいますし、日本の醤油みたいにご飯にそのまま掛けてもイケます。
はじめは独特の香りがきついので抵抗がある方もいるようですが、いったん慣れてしまうと手離せませんw
ベトナム人の場合は赤ちゃんの離乳食から使われて、大人になってもほぼ毎日食べるので、まさに国民食といえます。
じつは、日本人にもお馴染み
の調味料なんだね!
懐かしい感じがするのはどうして?
魚醤の仲間であるヌックマム(ベトナム)やナンプラー(タイ)に接すると、なぜか不思議な懐かしい感覚に襲われることがあります。
初めて口に入れたはずなのに、初めてじゃないような…。
デジャブ―現象?
日本人としては、大豆の醤油がお馴染みですが、じつは歴史としては魚醤の方が古いんです。
日本で大豆から醤油を作る製法は、鎌倉時代に中国に行った僧が1254年に日本に持ち帰った味噌の製法が元になったといわれています。
また、公式の記録には古事記にも豆の記載はあるにはありますが、大豆の栽培が日本中で本格的に広まったのも、やはり鎌倉時代です。
なので、それ以前は大豆の醤油はな存在せず、同じ役目をする調味料として魚から作った魚醤を使っていました。
辞典にもこのように書かれています。
日本では、現在の醤油が広まる以前は魚醤が日本各地で使われていたようである。
小学館「食材辞典」醤油より引用
秋田の、しょっつる
新潟の、しょっからいわし
石川県能登の、いしる(いしり、よしる、よしり)
香川の、いかなご醤油
など、現在も全国的にその名残が残っています。
いずれも魚介類(魚やイカ)を塩で漬け込んで、汁を取り出すということでは同じ製法です。
つまりヌックマムは、東南アジア料理が流行りだして一緒に普及しはじめた”新しい調味料”ではなく、実は日本で最も歴史のある醤油ということになります。
きっと、大豆の普通の醤油が広まる前に大昔の先祖が食べていた魚醤の味を、僕たちの遺伝子のどこかで覚えてるんだと思います。
ヌックマムを製造する木樽
つい、前置きが長くなりました。
実際にフーコック島でヌックマムを作っている工場の内部をご紹介します。
木の樽を使って、昔ながらの製法で作っていました。
カタクチイワシなどを塩もみして1年前後この樽の中で寝かせてたんぱく質を分解し、アミノ酸を作り出します。
樽の一つ一つには番号や日付が書かれて、厳重に管理されています。
この昔ながらの手作りの製法を守っているので、フーコック島のヌックマムはベトナムでも一番美味しいと言われるんですね。
フーコック島のヌックマムは、この昔ながらの製法で作っているので、やはり時間も手間もかかります。
なぜ偽物が流行するかというと、魚の収穫量が減少したことと、機械で作ったり添加物を入れたりした方が早く安く作れるから…
こういった事情はどこの国も同じですね。
試飲してみよう!
工場見学では、おなじみの試飲ができます。
赤いおそろいのTシャツを着たお姉さんが案内してくれて、
短いストローの先に作りたてのヌックマムを付けて渡してくれます。
やはり、香りと味は市販品とは比べ物になりません。
例えるなら、造り酒屋で日本酒を直接飲ませてもらうような感動があります。
帰りは直売所で買おう
工場の横の直売所で好きなだけ買えます。
ただし、香りがきついので飛行機などへの持ち込みができないことがあります。
万一、飛行機の中で割れると漏れて大変なことになりますから…。
その点、バスはちゃんと包めば預け荷物に入れても大丈夫です。(バス会社ごとに異なるかもしれないので、心配なら一応聞いてみてください)
直売場にはもちろんヌックマムもたくさんありますが、他にもフーコック島産のいろんな乾物が販売されています。
なまこ、魚、ヒトデの干物なんかもあります。
価格は、
ナマコの乾物は1㎏で4000Kドン(¥18000)
(めっちゃ高いじゃん!!)
って思って日本のサイトを調べたら、乾燥ナマコは1㎏75000円くらいで売られてました。
500gで9万円くらいのものもあるので、かなりの高級食のようです。
島の直売所がどれほど安いかよく分かりました(汗)
ここで仕入れて日本のサイトで売れば大儲けできそうですねw
もっと安いのもあります。
魚の乾物は400kドン(約1800円)
ホタテだと1㎏で1600kドン(約1800円)です。
日本だと100gで3000円くらいなので、これも格安ですね。
乾燥したヒトデは1パックで150kドン(700円弱)
スープの出汁をとったら美味しそう。
畑の肥料にも効果的なようです。
【ご注意】
フーコック島の島内ではいろんなところに格安でタツノオトシゴの干物も売ってますが、ワシントン条約で日本に持ち込めないリストに入ってるようです。買わない方がいいと思います。没収されるだけでなく処罰されると大変なので。
フーコック島のヌックマムにも、幾つかの会社があるのでいろんなデザインがあります。
上の写真はフーコック島のスーパーで買った65㎖の小瓶です。
とっても小さいので食卓テーブルに置いて、いろんなものに掛けて食べてます。
ちゃんと瓶には Phu Quoc と書いてあります。
島の絵柄も可愛いので気に入ってます。
やっぱりフーコック産のヌックマムであること自体がブランドなんでしょうね。
フーコック島で一番有名なヌックマム工場兼直売所フーンフンはこちらです。
工場見学について
時期によって変わりますが、魚を下処理しているところや瓶詰している場面が見られる日もあります。
テレビの取材をしていることもあるので、そういう日は先に直売所で買い物をするとよいでしょう。
また、個人で行くと団体客が来るまで待たないといけないこともあります。
それと、ベトナムではどこも同じですが、「いらっしゃいませ」の接客スタイルはありません。
親戚のばあちゃんちに孫が行くような感覚です。
『ん?(。´・ω・) 来たんか?』
ぐらいの反応です。
スタッフも自由にしてますし、直売所の中には犬が寝てます。
そういうところも東南アジアっぽいので、どうぞ思う存分楽しんでください。
今回はベトナムイチ美味しいと評判のヌックマムの工場のご紹介でした。
ホーチミンからは遠いですが、ベトナムにお越しの際は訪れてみてはいかがですか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
またお会いしましょう!!
ポリフェノール
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